エピローグ


 隣の部屋から、お母さんの喘ぎ声。
 俺はぷよに没頭する。
「するかよ」
 コントローラーを投げた。
 窓を開けて、天を仰ぐ。
「なんでまた繰り返すんだよォォォォォォ! もうよかったのにィィィィィィ!」
 お母さんの喘ぎ声が止まった。
「ふざけんなよくそが最高の人生で幕を閉じたのにィィィィィィ! ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
 叫びまくった。
 ふすまが開いて、タケシが近づいてきても、叫びつづけた。
「うるせんだよクソガキ!」
 殴られる。
 でも叫ぶ。
 殴られつづける。
 でも、叫ぶ。
 殴り倒された。
「うぅ、なんで……」
「殴られたくなかったらおとなしくしてろ!」
「ひどい……神様のバカ」

 その後。
 俺は死ぬたびに、母の喘ぎ声を聞きながらぷよをしている瞬間に戻った。
 俺は永遠に、俺の人生を繰り返した。



(了)


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