魔法シンドローム第二話.魔力の再発現(avant) |
おじさんが言うには、放出した 「とにかく繰り返しやるんだ。ボトルに向けて、 ぎゅっと手を握ったり、念じてみたり、考えうることを試すのだが、発現しない。 「できない、無理だよ、ホントに。自分から離れた風が動くわけない」 「その風≠ニいう意識は完全に捨てろ。自分の手から風を吹いているという考えを払拭しなければ、これはできない。 そんなこと言われても、そしてそれを意識してみても、なにも起こせなく。やけくそで 「もういいよ、飛べなくても。飽きた」 おじさんが息をついた。先生もよく同じ仕草をする。結局ぼくは駄目な子なんだ。根気がない。できることができない。小学校を卒業して組織に入っても、なぁんにもできないまま大人になって寿命迎えて死ぬんだ。 「座ったままでいい」倒れたボトルを雪の上に立てた。「続けて」 「おじさんは才能があるからできるんだよ。ぼくにはできないんだってば」 おじさんは首を振る。「SS型なら、飛ばした 飛ばした 「もう一度言うが、俺が言うことは、誰かに言っちゃだめだぞ。子供に教えてはいけないんだ。むやみに殺傷能力が身につくからね。いいかい?」 ぼくは頷くしかなかった。おじさんは咳払いをし、辺りを見渡す。離れた場所から子供の声が聞こえるが、まだこちらには人が来ていなかった。おじさんはぼくに顔を向ける。 「 意味不明なので、まず首を傾ける。おじさんがこちらに歩み寄ってきた。 「まこと、俺に向けて火気と冷気を放ってくれないか。君の力量を見たい」 「それは、危ないから止めたほうがいいよ」などとぼくは言ってしまう。 「危なかったら俺も力を使って相殺する。ほら」 おじさんは腕を上げ、こちらに掌を向けた。 「おじさんが怪我しちゃう。ぼく、うまく力を制御できないから」 「俺はうまくコントロールできるから、ある程度強力でも問題ない」 そう言っておじさんは笑む。しかし、やりたくても無理なんだ。 だって、本当は全然、力を扱えないから。 |
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